当社の事業は、ソフトウエア開発事業の単一セグメントであり、提供しているサービス種別としては「システムインテグレーション」及び「クラウドサービス」の2つのサービスとなりますが、2024年12月期においては、「システムインテグレーション」が当社事業全体の98.6%を占めております。
1.システムインテグレーション
生命保険会社、損害保険会社、銀行、信託銀行などの金融業界を中心に、業務用情報処理システムの開発を行っております。なかでも、保険業界分野においては、個人保険商品システム、企業年金システム、共済保険システム、勘定系システムなど、基幹業務に直結する領域における開発実績を多数有しており、ニッセイ情報テクノロジー株式会社をはじめ、複数の保険会社様との長年にわたる取引実績を重ねてまいりました。
この保険業界向けシステム開発は、2024年12月期におけるシステムインテグレーション売上高の50.6%を占めており、当社の中核事業領域として位置付けられています。既存顧客との信頼関係のもと、継続的に開発案件を受託し、保険業界における実務運用や制度要件への深い理解、いわゆる「業務知識」を蓄積してまいりました。業務知識とは、業界特有の制度設計、事業環境、業務プロセス、さらには関連法令や許認可の理解までを含む包括的な知見を指し、高品質なシステム開発を実現する上での基盤となります。当社は、こうした知識を活かした業界特化型戦略を推進することで、競争優位性を強化し、さらなる事業拡大を図っております。
また、保険分野にとどまらず、物流業界、エネルギー産業、商社、地方公共団体、公益機関といった多様な業種向けにも、業務系システムの開発を手がけており、横断的に業務知識を蓄積しながら、システム開発領域の着実な拡充を進めております。
なお、当社におけるシステム開発の工程は、一般的に以下のプロセスで構成されております。

要件定義および基本設計といった上流工程を重視したシステム開発を展開しております。上流工程では、顧客ニーズに基づき、必要な機能や要件を明確化し、高品質なシステム実現のための設計指針を確立することが極めて重要となります。この段階においては、技術的な専門性に加え、プロジェクト運営力、業界特有の業務知識、さらにはビジネス的な視点からの考察力といった多面的なスキルが求められます。
当社は、主要領域である保険業界をはじめ、物流、エネルギー、商社、地方公共団体、公益機関といった多様な業界におけるシステム開発に携わっており、上流工程からプログラム製造・テスト工程までを一貫して担う体制とノウハウを有しております。これまでの開発経験を通じて培ってきた業務知識を備えた人材が多数在籍しており、プロジェクトの特性や顧客要望に応じた最適な開発体制の構築・提供が可能です。
また、案件の進捗や工程に応じて必要となる技術者数の変動にも柔軟に対応できるよう、協力会社との協業体制を整備しております。こうしたパートナー企業との連携を通じ、安定的かつ高水準なサービス提供を実現しております。
契約形態としては、ユーザー企業との直接契約に加え、元請のシステムインテグレーターやユーザー企業系列の開発会社との契約案件も多数存在しており、2024年12月期においては、売上高の90%以上を占めております。このような体制により、安定的な事業運営と信頼性の高いサービス提供を両立しております。
2.クラウドサービス
当社の製品は、飲食店向け店舗運営支援システム「Order Revolution」、受付業務支援システム「アイウェルコ」、AI顔認証入退室管理システム「アイウェルコトール」であり、いずれもSaaS型でのサービス提供を行っております。SaaS型とは、インターネットを介してソフトウエアを提供するサービスであり、提供者側(当社側)のサーバーにおいてソフトウエアを稼働する形態とし、機能追加等の更新を機動的に行うことで最新のソフトウエアの提供が可能となっております。販売につきましては、飲食店及びユーザー企業への直接販売によるものと、販売代理店への販売によるものとが存在し、新規導入後はサブスクリプション型(注1)でのサービス提供を行っており、新規導入設置料及び月額利用料により収益を構築しております。
飲食店における既存のPOSレジ(注2)との連動機能を備え、お客様の来店から精算に至るまでの一連の業務を通貫させて店舗運営支援が可能となるシステム
主要構成ハードウエアとしてiPadを採用し、セルフオーダー機能、予約受付機能、POS機能、自動釣銭機との連動によるセルフレジ機能等も備えており、店舗規模や業態に応じた最適な製品提供が可能なシステムとなっております。また、メニュー登録や各種設定をクラウド上で行う仕様となっているため、売上データの常時把握や統括本部からのグランドメニュー更新の一括配信等により店舗及び店舗網の一元管理が可能となり、飲食店運営の効率化にも寄与するシステムとなっております。



顔検知機能及び音声認識機能を主機能として備えた受付業務支援システム
内蔵されたWebカメラにより人の顔検知が行われることで、受付業務が自動で開始されます。続いて、画面内の受付担当者アバターから音声による質問が行われ、来訪者の発話した質問への回答音声が画面内にテキストとして表示されます。質問のやり取りが終了すると受付が完了し、同時にオフィス内の任意の端末にチャットツールを通じて受付情報が転送される仕組みとなっており、受付業務の省力化及び非接触化を実現できるシステムとなっております。販売対象先としましては特定の業界や顧客層に限定されるものではありませんが、当社の既存得意先や紹介を受けた先等への提案活動を通じて、販売の拡大を図って参ります。

AI顔認証入退室管理システム
AI顔認証技術を活用した入退室管理システムは、ディープラーニング技術により、多様な環境において高度な安全性と利便性を提供します。主な特徴として、マスク着用時でも高精度な顔認証が可能であり、3Dカメラによるフェイク判定技術で、写真などによる「なりすまし」を防止します。ユーザー管理、在籍管理、エリアごとのアクセス権設定、入退室記録・集計などの機能に加え、Webベースの管理画面は直感的な操作が可能なユーザーインターフェースで提供しております。一般的なオフィス、工場、倉庫、教育・介護施設など、幅広い業種への導入が可能です。

- 1.サブスクリプション型とは、料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用することができる形式のビジネスモデルとなります。当社では、ソフトウエア提供を行うことの対価として、月額利用料をいただいております。
- 2.POSレジとは、POSシステムの一部で、アプリケーションが搭載された店頭のレジの名称です。
また、POSとは、Point of Saleの略称で、日本語では、「販売時点情報管理」と訳し、商品が売れた際にリアルタイムでデータを照合して決済し、売上額や販売場所などの販売情報を自動的に収集します。